おそがけ戦略コンサル転身記

mseiya.exblog.jp
ブログトップ
2007年 04月 23日

構造改革の真実

週末「構造改革の真実-竹中平蔵大臣日誌」を読んだ。
小泉改革ももう一昔の話のように思えますが、この本を読むと、不良債権処理、郵政民営化といった改革がどれほど困難な作業であったか、そして、改革に抵抗する業界、自民党、野党、官僚の実態、そしてマスコミを通して見てきた構造改革に対する理解とその本質が如何に違うものだったのかが良くわかる。経済に通じている日経新聞ですらその解釈については自分できちんと多面的に検証してみることが必要と痛感。

たとえば銀行への資本注入という行為について是非を問う場合、単なる税金の無駄遣いであるとか、銀行のモラルハザードを招くという負の側面が強調されることが多かったが、「決済機能の維持」という大義名分があったということについてはほとんど語られていなかった。しかし、前者の主張はある意味正しい反面、「どのような銀行であっても資本注入してその決済機能を維持すべき」、ということにもならない。すなわち影響が広範囲におよぶ重要な決断にはその深さと幅という微妙なさじ加減が付きまとうため、その是非を判断することはなかなか難しい事なのである。

また、このような問題の多面性ゆえ、改革者となる人はこのような、一見もっともな反論・批判に対峙して正論を通していく力がなければ改革は実現できない。

あと、この本の中で繰り返し出てきた言葉が2つありました。

一つ目は「無謬性」(むびょうせい)

無謬性というのは判断に誤りがないという意味だそうで、官僚が無謬性にこだわるために、過去の政策・判断が正しいという前提で現状否定しないことから、改革が進まない。この無謬性、官僚だけの特性ではない気がします。私も会社で、「そんなことやったらいままでは何だったんだ、ってことになるぞ!」とか、「○○常務が辞めるまではこれはやめられない」とか。正論がいとも簡単に無視される状況に何度となく遭遇した。それが組織といえばそうですが、そういう内向きの論理や建前がはびこるようになると、やはりマズイですね。

二つ目は「戦略は細部に宿る」

どこかで聴いた言葉ですが、腑に落ちる言葉です。細かいところをおろそかにしてはいけないということで、スケジュール、準備、実施計画の書きぶりとか、ヘッドになる人はそういう細かいところを人任せにしては駄目ということ。原理原則に照らし合わせて細部がそれに従っているか、そいういうことをきちんとやらなければ目的の達成は難しい。

国政の構造改革にかかわる話でしたが、企業の改革活動も基本的に同じこと。とてもためになる本でした。
[PR]

by miyakeseiya | 2007-04-23 12:45 | 書評


<< 挑戦するという生き方      モチベーションの源泉 >>