おそがけ戦略コンサル転身記

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カテゴリ:MBA、経営( 5 )


2007年 11月 27日

支店長

リテイルバンキングへの改革を進めている、りそなホールディングスの細谷会長がこのたび「支店長」の職位を廃止するとのこと。

以前から思っていたが、やはりこの方は改革センスがあると思った。こういうところから揺さぶりをかけるということが上手い。実のところ、行内では「支店長」廃止に抵抗があるらしい。やはり銀行員にとって「支店長」は一つの上がりのポジションである。

「顧客志向組織」の対極は「内向きの組織」。この内向きの組織を生む要因として、要員が自らの職位に執着することから始まる。そういうインセンティブが組織を支配するとポジションの確保が目的化する。その結果、組織維持の慣性力が大きくなり、外への配慮より内への論理を優先した組織文化が出来上がる。また、そのようなポジションに就く事が個人の目標となれば、組織の論理に異を唱える事は不利になり、組織を正す改革分子が消えて、組織の同質化が進んでいく。

日本の組織の問題の根源にはこのような職位への執着という個人の意識があり、これを変えていく必要が有るのかも知れない。
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by miyakeseiya | 2007-11-27 17:27 | MBA、経営
2007年 09月 21日

経営の巧拙

電機業界の再編が活況。
今日の新聞でもシャープとパイオニアが液晶パネルの提供に関する提携を結ぶという記事。先日もソニーが半導体事業を東芝に売却するというニュースがあった。それぞれの提携、買収の背景にはそれぞれの会社が描く「集中戦略」が見えて面白い。経営資源の集中投資と戦略資産の取り込みによる事業成長の加速を図るというものだ。

これらは自社の資産と他社の資産の融合というシナジー効果が見込まれる例。意味のある業界再編だ。

しかし、心配な会社が一つ。三洋電機は現在携帯電話、半導体事業の売却と白物家電の撤退を決定した。強みを「電池」に特定してそのほかの事業をばっさり切っている。

前者との違いは「儲からないものは切る」というリストラの発想によるもの。
もう三洋は電池会社になるのではと思う。

三洋の強みは果たして電池だけか?実のところ三洋の家電は優れたものがある。(僕は三洋製品を結構買ってるがなかなか良い)

水を使わない洗濯機や小型ビデオカメラなど、他に無い特徴的な製品が多数あるにもかかわらず、これを強みに出来ないのはなぜか?

経営者不在で、投資銀行のカタにはめられた帰結??
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by miyakeseiya | 2007-09-21 17:18 | MBA、経営
2007年 07月 17日

日本的組織の強みと弱み

現場組織で中間管理職をやり始めてはや4年が経ちました。
その間いろんなことやったんですが、現場組織を活性化するというのが一応の私の目標でありました。しかし、合理的に物事を良くしようとしてもなかなかうまくいかない。その理由は「日本的組織への理解不足」ではないかと最近思う訳です。

欧米の良好事例を引き出して「責任を明確にして、業務を効率的に・・」といったことがうまくいかないことに対しては、日本的組織の理解の不足がネックである。
欧米と比較して、日本的組織の特徴とは、

・組織の境界や個人のミッションをはっきりさせず、協調的に課題を共有する
・業務成果は個人より組織に帰属する
・終身雇用を基本とした安定的な職位保障の前提

これらの特徴により生じる強みとして、会社に対する忠誠心の高さ、チームワークの尊重、仲間との信頼を重んじる行動様式、などがあげられる。

ところが、これら日本的組織の強みとは裏腹に、内輪の論理の優先、変化への抵抗、問題処理の遅延、などといった弱みに転じやすい脆さを孕んでいる。

このような強みが弱みに転ずるかどうかの境目はなにか?
それは、組織がその目標を失った時に弱みに転してしまうのではないか。

なぜなら、日本的組織を牽引するパワーの源は「みんな一丸となって頑張ろう!!」的な共通目的によるものだと思う。これは高度成長期の時代に日本企業がとてもうまくいった理由でもある。

しかし、現在のように、顧客の価値観の多様化、一律の経済成長の終焉とともに、みんなで共有できる分かりやすい会社の共通目的が薄れ、また、業務が複雑化したことや、会社のルールが厳しくなったせいで下部組織の自主性が奪われたことなどにより、日本的組織の弱みが顕在化するようになったのではないか?と私は思っている。

弱体化した組織にむち打つべく、成果主義や選抜主義などを取り入れて見たものの、うまく機能せず、協調性という日本的組織の強みをさらに弱めてしまったというのはよく聞く話。

しかし、このような、頑張った人が報われるという欧米的な成果報酬主義は組織としては至って健全であるし、企業価値を意識すれば当然必要なマネジメントである。

日本的組織にこれを当てはめる際に必要なことは個人の視座を少しでも高めてやることでうまくいくのではないだろうか。すなわち組織の個人が、

「会社は何を目指しているのか」(社会における会社の存在意義)
「人生の大切な時間をなぜここで費やしているのか」(組織目標と価値観の整合)
「自分はいったい何が出来るのか」(自発的な貢献)

といった使命感を実感できること。
リーダーはそういう個人の心のケア、いわゆる個人のマインドマネジメントに努力を払うことによって日本的組織の強みが生きてくるのではないだろうか。
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by miyakeseiya | 2007-07-17 23:05 | MBA、経営
2007年 07月 14日

濫用的買収者

先週スティールパートナーズに対して東京高裁が「濫用的買収者」と認定しました。
「濫用的買収者」とは以下の定義によるそうです。(日経新聞引用)

(1)経営参加の意思がなく、高値で株式を会社関係者に引き取らせる(グリーンメーラー)
(2)経営に必要な知的財産、企業秘密、取引先などを買収者に移譲させる(焦土化経営)
(3)会社資産を、買収者の債務の担保や弁済原資に流用する
(4)不動産、有価証券などの資産を処分した利益で配当を高くし、株価をつりあげて売り抜ける

高裁の決定は、買収防衛策の差し止めに対する判断だったので、株主から見た公平性の判断という意味では妥当なものかもしれない。

しかし、スティールが「濫用的買収者」であるという認定をしたことについて疑問を感じざるを得ない。

なぜなら、スティールは上記の「濫用的買収者」の定義に当たる行為は当然まだしていないし、過去の買い付け先(ソトーやユシロ)においてもそのような行為はしていない。裁判長は判断の根拠として、

「投資ファンドという組織の性格上、顧客利益を優先、短中期的に株式転売などでひたすら自らの利益を追求する存在」

という見解を述べているが、まったく根拠が見当たらない。これでは投資ファンドが皆このようなものだと言っていることにならないか?ちなみに、ソトー、ユシロの株価はその後順調に推移している。

それに、今回の判決やマスコミ論調でほとんど議論されていないのが、ブルドックソース側の経営の是非である。

株価は過去10年を見ても200円から300円という低いレベルでほとんど変わらず推移している。ブルドックソースという親しまれた商品を作る名門企業であることに間違いはないが、株主の価値を創造する経営をやってきたのだろうか?その辺は正直よく分からないが、株価が正直に物語っているのではないか。

企業が銀行融資を減らし、自己資本比率を高めている昨今、経営の規律としての資本市場の価値をもっと強調すべきではないかと思う次第です。
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by miyakeseiya | 2007-07-14 17:19 | MBA、経営
2007年 06月 15日

資本主義は社員の味方?

日経新聞でペンタックス買収の連載記事が掲載されていますが、やっぱり、という記事がありました。ペンタックスの社員の60%以上がHOYAによる買収に賛成していたとのこと。

この買収劇のごたごたで見えたのは、旧体制を維持したい経営者のエゴイズムでした。
経営者が新たな成長に対する挑戦を怠り、企業の成長を遅くしているとすれば、社員にとっては災難です。そういう会社では往々にして社内に停滞感が漂い、有能な社員がモチベーションを高める機会を得られず、不満を漏らしています。実際このごたごたの間に多くの有能な社員が去ってしまったといいます。

社員が会社を内部から変える事は本当に難しい。会社を良くするのは経営者にその意思が無ければ成し得えず、経営者の意識改革または交代が必須。しかし、所詮社員がいくら頑張っても社長を変えることは簡単には出来ません。こういうとき、資本の論理が唯一の経営者に対する規律となる。

ファンドによる買収ならともかく、事業会社による買収は戦略的に明確である場合が多く、社員も納得しやすい。日本ではリストラ型の買収はあまり無いでしょうから。

健全な資本主義は社員の味方と言えそうです。
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by miyakeseiya | 2007-06-15 12:23 | MBA、経営